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200808

アリス

そこは御伽の国だった

愛されているという幸福
与えられる宝石
行く先々でのエスコート

それは夢のような物語

大切に 大切に
誰の手にも渡らぬよう守られ
どんな小さな傷も付かぬよう
絹の糸に包まれながら
何度も何度もキスをした

それは夢のような物語

結ばれない許されない
奈落の底で
至福の恋をしていた

大丈夫

助けて
どれほどの距離を
誰が救い上げてくれるだろう

わずかばかりの優しさで
平気?だなんて言われても
元気だよって笑うしかない

助けて
いつ、その言葉を飲み込んだだろう

自由すぎる不自由に
左と右を行ったり来たり
道標なんて何処にもなくて

助けて
愚かな言葉の、その先は

見据え 悟った女達の
大丈夫、へと進化する

求めてなどいない

あなたのためなら死ねる

そんな飯事、あたしは言わない

あなたの悲しみは私が代わる

そんな台詞、あたしは言わない

そばにいて

そんなお願い、あたしは言わない



痛みを分け合うことなど出来ないし

傷つくことは避けられない

人の心は縛れない


だけど、あたしは変わらない

愛してあげるよ

あたしが、そばにいてあげる




ふたりで生きよう

あんたの骨は、あたしが拾う

あんな想いは、もう沢山

『逢いたい』と口にした、あの日、
捻伏せた想いが溢れだし
こぼれては落ちる涙を止められなかった


泣きすぎて息が止まるのかと思った
壊れた機械みたいに心がガチャガチャ軋んでいた
人が、こんなにも泣けるものなんだと初めて知った


あんな想いは沢山
もう二度と

愛しさも、逢いたい切なさも
もう二度と口にしない

あんな想いは、もう沢山

第三世代

絡み合う唇が全てなんだと
触れられる真実だけを手繰った

愛なんて伝えるものじゃなく
心の中など理解せず
抱き合うことで繁栄すると

成りきれない大人へ
ただガムシャラに



汚れることで昇り行く
悟ることで制覇する

欲しいのは光りじゃなく
落ち行く勇気
願うのは勝ち続ける価値

走れ走れと叫ぶ世に
優しさなんて知らずに生きた


ねぇ、僕たちの行く先は―

夏が逝く

白々と明ける夜を待ちわびて
啼くセミの声は
限られた命を嘆く断末の叫び

わずか一瞬の恋のために啼き
次の命を引き継ぐ数日

夢中で生きろと空が騒ぐ
見守る風は息を潜め


何が出来るのかを、いつも問う夏


夏が逝く
あの日、夢中で恋をして
明日も未来も全部、捨てた
私の夏が逝く

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