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200709

記憶の彼方へ

遥か、遥かなる昔、僕らは小さな島で生まれ
何かに裏切られる事もなく
何かに傷付く事もなく
愛を語り、寄り添い合い
「次に生まれてくるときも必ず巡り逢おう」と誓った


やがて空は、幾重にも時を繰り返し
僕らは、争いの真っ只中
結ばれぬまま命を落とした



息絶える中、僕らは祈った
「どうか神様、次に生まれて来る時は、争いのない世界へ」



「どうか神様…」



果てしない宇宙(ソラ)をさ迷いながら
神が示すまで、僕らは、静かに眠り続けた。
やがて空は泣き、色を変え
腐敗した世界と科学の中、二人は、泣きながら生まれた。



あんなにも愛し合い、時を越え、此処まで来たのに
僕達は−…
環境や、科学や、人の力に耐え切れず
二人でいることを、諦めてしまった。


あれほど願い、祈り続け
こんなにも現世(イマ)を待ちわびたのに


僕らは何もかもを裏切り、天を見放し
還るべき、その場所から
二人遠ざかり、やがて逝く


         「大切な記憶を忘れたまま…」

交差


不器用な二人が進むべき道は、いつも平行線で


重なる瞬間(とき)


いつも、どちらかが、行き過ぎていた・ ・ ・

あの頃

  海沿いの国道は、真夜中まで
    オレンジ色した工業地帯

  アスファルトをならす爆音は子守歌
   束の間の睡眠と
    不自由な自由の中で

  傷つきながら走り抜けたあの頃は

    守るものも
     恐れるものもなく

  愛だけが、すべてだった

レクイエム

小さな街の片隅で通りすぎた風

その肩に寄り添い
その背中を抱きしめ
その腕にしがみついた
あの頃はまるで夢の跡

隣の誰かを傷付けないよう息を殺し
静かに高層ビルへと消えて行く今


「愛してる」

それは
もう二度と、口には出せないレクイエム


離別


落ちる涙が

明日を拒んでいる

聞きたかったのは言い訳

真実なんて



どうでもよかった

共に生きよう

君の背負ってきたものなんて、僕には想像もつかないよ。
その痣は一生、消えないんだろう?
その傷は二度と癒えないんだろう?


僕なら…僕だったら…


君が今、泣かないのは
乗り越えるために痛みを捨てたから、なんだろう?

君が今、笑っているのは
乗り越えるために過ごした日々を忘れずにいるからなんだろう?


どんな想いで、何を求め、何を捨て
君が今日まで生きてきたのかを思えば
君を守りたい、だなんて、見当違いもいいとこだ。

だから僕は、何も言わない。何も言えない。
君の傍にいるために考えぬいた
唯一の言葉を今日、言おう。


「命尽きる、その瞬間まで、共に生きてくれないか」


傲慢


戻れない日々を悔やんでは

懐かしい景色を眺めている。

君が

どんな想いで

過ごしてきたのかなんて

知りもしないで ―

居場所

見えない力の重圧に耐えきれなかった弱き心

時を繋ぐ糸は途切れ
心壊れ
裸足で逃げ出したあの日から
吐くばかりの息が部屋を覆う


開けたクローゼットに眠るあの日のジャケット
立ち向かえず手放した痛みを毎日見ている

何もいらない
愛する事も愛される温もりも
もう何もいらない


だけど ただ一つ


二度と泣かない居場所を下さい


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